人差し指でその名を辿る
指先で細い道を辿ったその先に行き着く未来は・・・?
──── 談話室の方端でエクソシスト四人が集まっていた。 「線はこんな感じでいいかしら?」 「いいんじゃないですか。適当に引いただけがちょうどいいでしょう」 四人は向かい合わせのソファーの間に置いてあるテーブルの上に、地図と同じくらいの紙が広げられ ていた。 「しっかしあみだするなんて何年ぶりさ」 「なんで俺まで・・・」 紙には縦と横に引かれた線を組み合わせて出来るあみだが書かれていた。 「さって、お出かけタッグ決定あみだ開始!」 リナリーが笑顔で手を合わせると共に、アレンとラビは身を乗り出して紙を覗き込むが、神田は相変わ らず気乗りしていなかった。 そんな神田を隣で見ていたアレンは、いつもの事だと思いつつも呆れる。 「もう、神田もそんな嫌そうにしないで下さいよ。せっかくコムイさんが皆でお出かけして来てねっ て言ってくれたんだから、楽しみましょうよ」 それにリナリーが付け加えた。 「それに私服でっていう事だし、私服の方が気分も軽いもの。せっかく神田も私服着たんだから楽し みましょうよ」 二人の言葉を聞いても、あっそとそっけない言葉しか返ってこなかった。 「でも、ちゃんと私服を着てきた辺り、オレには嫌そうには見せないけどな」 「バカ言え」 多少不意を突かれそっぽを向くと、それ以上口を開こうとしなかった。 神田の私服は、ブラウスの上にファー付きロングコートを羽織り、下は普通の団服の下に着ているズ ボンだった。アレンとラビには密かにコートに付いているファーが可愛いという評判があった。 それはともかく早く始めましょうとアレンが言うと、ラビとリナリーは再びあみだが書かれた紙に向 かった。 「じゃぁ私がやるわね」 リナリーが紙に指を置き、一番左端のあみだのスタートラインに人差し指を当てた。 一番下にある組み合わせの選択は、もう一枚の紙で隠されており、見えないようになっている。 「誰と誰の組み合わせになってもいいですね」 指を線通りに滑らせていく。 ────アレンが教団に来て、さらに絆が深まったこの四人 絆に、人には見えない糸があるとしたら、四人の糸は 誰かに傷つけられたり、糸を断ち切る者がいるとしても、切りたくても 複雑で見えないであろう ────先にあるものが見えないその道を辿った その先に待っている選択 「これは・・・」 「予想外さな〜」 それまで無関心だった神田もアレン達と同じように紙を覗いた。 神田は何も言わなかったが、少しばかり予想外だという顔をしていた。 「この組み合わせの選択を書いたのはコムイさんですよね?」 「確かにおかしかったさ。このあみだの縦線は四本。つまり四本分の答えがあるっていう事なんだが、 オレら四人をそれぞれ二人の組み合わせに分けたとしても、三種類の組み合わせにしかならないもん」 ラビのなぞなぞの解説をしているかのようにペラペラと喋る姿を見て、アレンはなるほどと納得する。 「兄さんも凝るけどこの選択が出る確率もなかなかよね」 クスリと笑い出すリナリーにつられてアレンとラビも笑った。 「でも結局あみだ無くてもよかったですね」 「決まったならとっとと行くぞ」 神田が立ち上がると、他の三人も立ち"四人一緒"に並んで歩き出す。 ────たどり着いた選択は・・・・ "Go with four people peacefully♪" 訳:"四人で仲良く行ってきてね♪" The end of To be continued.... この続きもあります→"ハイチーズ!" ティーンズ企画のLOVE TEENS! に参加させていただきました! お題は「人差し指でその名を辿る」を選ばせていただいたのですが、辿り着いたものが名前じゃなく てすみません。笑 お題が種類あって、まだ他の方と被っていないものでネタが浮んだものを選んだのですが、全体的な ネタは浮んでいるのにそれを文章に変えるのに時間が掛かってしまいました; 最後の英語は、翻訳機で変換したものなので正確かは分かりません;分かる方はひっそりと教えてく ださい(コラ) お題からはあみだくじをやる事しか浮ばなかった・・・! それ以外に浮ばなかったのか自分。でも初めてティーンズ小説書けたのですっごく楽しかったですv 企画にも参加するのも初めてで恐縮です・・・っ 主催者の月白柵弥様、素敵な企画を立ち上げてくださり、そして参加させていただきありがとうございました! 合言葉はラブイズオーケーッ!!!笑 To.LOVE TEENS! お題 14:人差し指でその名を辿る---2008.1.28---From.水面が映す神聖な光.水光月サラン |